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ミリオンダラー馬券術とは

 
基本コンセプト

 馬券研究を始めた頃、スピード指数やコンピ指数などいくつかの指数を使ってみて、一番気に入ったのが競馬ブックのレイティングでした。競馬ファンに定評のある専門紙の指数だということもありましたが、何よりもその癖を把握することでかなり見返りがある指数だったということが最大の理由です。
 私オリジナルのミリオンダラー馬券術、および後述するR馬やRレベルにしても、このレイティングだからこそ可能な方法であるといえます。
 競馬は格だなどといわれますが、レイティングはそれに近いもので、人気に左右されないため、高配当を獲りやすい指数になっています。

 競馬ブックレイティングは、能力指数といわれていますが、実践的にはまず過去走の内容、経験値を測る目安として効果的に使うことができます。長期的に見れば、その馬のパフォーマンスを表したものになるのです。
 着順や着差だけで馬の好走、凡走を判断する競馬ファンは多いですが、それが本当にどのくらいの価値があったのか?という判定ができるのも、レイティングを使う大きな利点です。また、あるコースだけで高い数値を出し続けていれば、そのコースを得意にしていると判断することもできます。

競走馬に関するファクター

 近年、全出走馬で最高のレイティング値だったのがヴァーミリアンの74.7で、逆に最低値は未勝利戦の42.1でした。天と地で約30の差があることになります。
 全体的に見れば、レイティング50以下の馬が勝つことは滅多になく、12000頭で160頭程度、勝率1.3%です。複勝でも6.2%ですから、未勝利戦で全体的に出走馬のレイティングの低いレースであればまだ可能性もありますが、通常のレースではまず買えないでしょう。

 また、同じクラスの芝とダートでは芝のほうがやや数値が高くなる傾向があります。
 レイティングの値には前走のレイティングも関わってきますので、前走がダートで今走が芝の場合は、レイティングが低くなるのが普通ですが、これでレイティングが同じか高くなっている場合は、評価はそれ以上と判断できます。

 レイティング1位の馬から4.0以上の差がある馬は、複勝率が10%を割り、単勝率が2.6%程度に下がります。「たった4の差」ですが、実際にはかなり大きな差であり、注意が必要です。

 このように、競馬ブックのレイティングにはいくつかの特徴があり、主なものとして次の点が挙げられます。

1) 数値は、馬齢・クラス・芝ダート別に集計すると平均値が大きく異なる。
2) 出走馬全体の数値が高いレースは、レベルが高いレースになることが多い。
3) 休み明けの馬は数値に影響が出る。
など、利用すれば有効打になることが見落とされている指数なのです。

 「これらの特徴を知らずに競馬ブックのレイティングを使っている人が多い」という盲点が、この馬券理論の肝になっています。
 その他、競馬ブックのレイティングの特徴については、ブログで順次公開していきます。

厩舎戦略

 データ競馬が当たり前になって、かなりの年月が経ちました。競馬では、自分と同じ馬券を買う人が多ければ多いほど不利になりますが、だからといってデータを使わないというのも土台無理な話です。
 そこで、まずデータ自体をなるべく独自性のあるものにし、それを元に効果を見極めながらアナログで予想をすることが現代の馬券法の答えなのではないか、という考えに至り、この予想法が生まれました。
 競馬ブックのレイティングは、競馬ファンなら誰もが知っている指数ですが、その特徴はほとんど知られていません。この点を生かして独自のデータとして使用するのです。

的中率と回収率

 レイティングには、「馬齢・クラス・芝ダート別に集計すると平均値が大きく異なる」特徴があると書きました。
 レースの条件レベルを馬齢・クラス・芝ダート別に45段階に分け、段階ごとにレイティングについての全馬平均値、勝利基準値、ヒモ基準値を集計・設定し、基礎データとしています。表にすると次のように簡単にあらわすことができます。
 全馬平均値は、レイティング値を蓄積して計算すれば出ますが、勝利基準値、ヒモ基準値は、私が研究を重ねて設定し定期的に更新している値であり、いまのところ非公開としています。

●基礎データ表の例
基礎データ表 「勝利基準値」 = この条件レベルで勝つために必要となるレイティング値
「ヒモ基準値」 = この条件レベルで2・3着になるために必要となるレイティング値

「R+馬」 = そのレースで勝利基準値を超えるレイティング値の馬
「R−馬」 = そのレースでヒモ基準値を超えるレイティング値の馬

●条件レベル別 R+馬のレース勝率
(R+馬が勝ったレースの確率。2009年〜2011年1月末を集計。)

2歳未勝利 ダ 55.8%
3歳未勝利 ダ 63.2%
2歳未勝利 芝 63.8%
3歳未勝利 芝 66.9%
4歳以上500万 ダ 67.0%
2歳500万 ダ 54.5%
3歳以上500万 ダ 63.9%
4歳以上500万 芝 65.6%
3歳500万 ダ 65.9%
3歳以上500万 芝 67.2%
3歳500万 芝 61.7%
2歳500万 芝 73.8%
2歳オープン 74.2%
2歳G3 33.3%
2歳G2 33.3%
3歳オープン 芝 49.6%
3歳オープン ダ 90.0%
3歳G3 芝 35.0%
2歳G1 50.0%
4歳以上1000万 ダ 49.3%
3歳以上1000万 ダ 55.7%
4歳以上1000万 芝 45.7%
3歳G3 ダ 50.0%
3歳以上1000万 芝 46.2%
3歳G2 62.5%
3歳G1 54.5%
3歳以上1600万 ダ 57.8%
4歳以上1600万 ダ 54.0%
3歳以上1600万 芝 49.5%
4歳以上1600万 芝 46.3%
3歳以上オープン 芝 56.3%
4歳以上オープン 芝 50.0%
3歳以上オープン ダ 85.0%
4歳以上オープン ダ 92.0%
3歳以上G3 芝 68.2%
4歳以上G3 ダ 80.0%
4歳以上G3 芝 68.8%
3歳以上G2 ダ 100.0%
3歳以上G3 ダ 45.5%
3歳以上G2 芝 68.2%
4歳以上G2 57.1%
4歳以上G1 ダ 100.0%
4歳以上G1 芝 100.0%
3歳以上G1 ダ 100.0%
3歳以上G1 芝 50.0%

 R+馬の単勝馬券を買っていれば、これだけ高い確率で的中しています。馬単、3連単の軸としても最適なのは、言うまでもありません。

馬券解説

 「Rレベル」によって、レース前の出馬表が出た段階で、そのレースのレベルを知ることができます。
 上記の表の「全馬平均値」と、今回のレースに出走しているメンバー(16頭立てなら16頭)のレイティングの平均値を比較して判定します。

出走馬のレイティング平均値 − 同条件レベルの全馬平均値


低★レベル
 -1.6以下

 かなりメンバーのレベルが低いレース。ここで好走しても参考にならない。Rレベルが高い同クラスの勝ち馬とは、クラスが異なるほどの差がある場合もある。

低−レベル
 -0.8 〜 -1.5

 メンバーのレベルが低いレース。条件戦の場合は、勝ち馬は次走の昇級戦ではかなり厳しい。好走した馬が次走でRレベルの高いレースに出走し、人気を裏切ることも目立つ。

低+レベル
 -0.3 〜 -0.7

 ややメンバーのレベルが低いレース。ここで好走した馬は、次走さらにRレベルの低いレースなら通用するが、Rレベルが高いレースでは苦戦する。

普通レベル
 -0.2 〜 +0.2

 平均的なメンバーのレベルのレース。ここで好走しても凡走しても、次走のRレベルを見て判断することが重要となる。

高−レベル
 +0.3 〜 +0.7

 ややメンバーのレベルが高いレース。条件戦の場合は、勝ち馬は次走の昇級戦で苦戦することが多い。好走した馬が次走でRレベルの低いレースに出走したら、狙い目になる。

高+レベル
 +0.8 〜 +1.5

 メンバーのレベルが高いレース。条件戦の場合は、勝ち馬は次走の昇級戦で人気薄でも注目に値する。好走した馬も次走で注目。

高★レベル
 +1.6以上

 かなりメンバーのレベルが高いレース。条件戦では多くの場合、上のクラスの低レベルと互角以上に戦える。このレースに出走した馬は次走で注目。

馬券解説

 勝利基準値を超えているR+馬とヒモ基準値を超えているR−馬が、今回のレースに何頭いるかという分布から、事前にレースの配当傾向を予測することができます。これは、最短・最適なコースで目的地にたどり着くための馬券の羅針盤といえるものです。
 例えば、R+馬が1頭でR−馬が0頭の場合は、【1−0】と表します。勝利基準値を超えている馬が1頭だけですので、必然的にこの馬は信頼度が高い傾向にあります。

(例)
分布【1−1】
R+馬とR−馬が各1頭のケース。
この両者が同時に馬券から外れることはあまりないことで、ある程度信頼ができます。 回収率はR−馬が高く、ベタ買いでも100%ありますので狙い目です。

分布【2−2】
やや混戦傾向。
2桁人気までは多く絡みませんが、4〜7番人気の回収率が高い傾向にあります。
中波乱傾向だと認識したほうがいいでしょう。

分布【3−0】
分かりやすい3強レースです。
R+馬3頭の勝ち星が他全馬の倍以上ありますから、R+馬から馬券を組み立てることが安定した的中馬券に繋がります。
レース全体でも堅い傾向ですので、狙い方はR馬から相手を堅く、少なくという感じでしょう。

分布【3−1】
3強+1という構図ですが、結果としてもやはりR+馬、R−馬が全体の65%程勝っており、配当は低めです。 11番人気以下の勝利が3年間で5回程度と波乱も少なく、あっても中穴までですので、堅めに勝負したいレースです。

分布【4−0】
R+馬4頭がやはり強く、他の全馬と比較して3倍程度勝ち星があり、この4頭から勝ち馬が出るレースになっています。 1番人気でR+馬の場合は勝率が約38%と高く、回収率も90%程ありますので、これを信頼しての馬単等が狙いやすい馬券になります。

分布【4−1】
やや上位混戦になり、1番人気の信頼度が落ちてきますが、代わりに2〜4番人気の勝率が平均より高くなります。 11番人気以下の回収率が30%を割り、その分が中位人気の3〜8番人気の回収率を高めています。 比較的穴狙いもしやすく、メリットも高いレースです。

 R馬の分布は、出馬表のレース見解に掲載していますので、[過去の出馬表]でご確認ください。
 例えば上の【2−2】のケースであれば、4〜7番人気の馬の中で、◎〜×の印がある馬やコース好走がある馬、下記で説明するレイティング増減値理論が該当している馬などを狙えば、理にかなった予想を手に入れることができるでしょう。

馬券解説

 競馬ブックレイティングの3番目の特徴である「休み明けの馬は数値に影響が出る」という点を利用した馬券法です。
 レイティングの値は、休み明け10週以上を目処に減少することが多くなります。レイティングが増減するケースを踏まえてその理由を考えると、以下の4パターンに該当する馬が狙い目として浮かび上がります。

今走でレイティングが大幅減少するケース
 理由 ⇒ 数値の高い馬の前走凡走
    ⇒ 10週以上の休み明け

今走でレイティングが大幅増加するケース
 理由 ⇒ 近走成績が良くない馬の前走激走
    ⇒ 昇級戦での数値の帳尻あわせ
    ⇒ メンバーのレベルが高いレースで好走

1.同休減パターンの馬

 休み明けでレイティングが下がっても同クラスで戦える値であるため、もともと同クラスではレイティングの高い実力馬が、今回休み明けで人気を落としていると考えられる。

 ●3歳以上 4歳以上 500万以下のレース
 ・前走同じクラス
 ・10週以上休み明け
 ・今走レイティング値が○○以上減少している
 ・今走レイティング値が○○以上
  ⇒勝率9.6% 回収率136%

 ●3歳以上 4歳以上 1000万以下のレース
 ・前走同じクラス
 ・10週以上休み明け
 ・今走レイティング値が○○以上減少している
 ・今走レイティング値が○○以上
  ⇒勝率8.2% 回収率123%

 ●3歳以上 4歳以上 1600万以下のレース
 ・前走同じクラス
 ・10週以上休み明け
 ・今走レイティング値が○○以上減少している
 ・今走レイティング値が○○以上
  ⇒勝率4.8% 回収率161%


2.降休減パターンの馬

 休み明けでレイティングが下がっても降級したクラスでは上位の値であるため、もともと上のクラスの馬が、今回休み明けで人気を落としていると考えられる。

 ●3歳以上 4歳以上 500万以下のレース
 ・降級戦
 ・10週以上休み明け
 ・今走レイティング値が○○以上減少している
 ・今走レイティング値が○○以上
  ⇒勝率17.3% 回収率139%

 ●3歳以上 4歳以上 1600万以下のレース
 ・降級戦
 ・10週以上休み明け
 ・今走レイティング値が○○以上減少している
 ・今走レイティング値が○○以上
  ⇒勝率14.3% 回収率120%

3.同続増パターンの馬

 休み明けでなく同じクラスでレイティングが増えて上位の値になっているパターンで、レース内容、結果が好評価されていると考えられる。

 ●3歳以上 4歳以上 500万以下のレース
 ・前走同じクラス
 ・前走から9週目まで
 ・今走レイティング値が○○以上増加している
 ・今走レイティング値が○○以上
  ⇒勝率34.3% 回収率126%

 ●3歳以上 4歳以上 1000万以下のレース
 ・前走同じクラス
 ・前走から9週目まで
 ・今走レイティング値が○○以上増加している
 ・今走レイティング値が○○以上
  ⇒勝率12.3% 回収率112%

4.昇続増パターンの馬

 休み明けでなく昇級したクラスでレイティングが増えて戦える値になっているパターンで、もともと下のクラスでレイティングが高かったことに加えて、レース内容、結果が好評価されていると考えられる。

 ●3歳以上 4歳以上 1000万以下のレース
 ・昇級戦
 ・前走から9週目まで
 ・今走レイティング値が○○以上増加している
 ・今走レイティング値が○○以上
  ⇒勝率18.6% 回収率110%

 増減値理論も出馬表に掲載していますので、[過去の出馬表]でご確認ください。